牧千夏の話したいこと

読んだ本や考えたことを勝手に紹介しています。

継続は疲れなり_『すべての疲労は脳が原因』他

  • 梶本修身『すべての疲労は脳が原因』(集英社、2016)
  • 梶本修身『すべての疲労は脳が原因2超実践編』(集英社、2016)
  • 梶本修身『すべての疲労は脳が原因仕事編』(集英社、2017)
  • 梶本修身『スッキリ!体と脳の疲れが消える本』(PHP 研究所2016)
  • 梶本修身『「疲れない体」になれる本』(三笠書房2020)

を読みました。同じ著者なので一気にまとめます。

 

疲労は自律神経の酸化

  • 人が呼吸をしている以上活性酸素は体内で常に発生しています。活性酸素はほかの物質に対する反応性が高く強力な酸化を呼ぶ作用を持っています。物質を作る最小単位の原子では、原子核の周囲を電子が回っていますが、活性酸素は他の電子を奪います。この化学反応が酸化です。参加されて電子を奪われた方の原子は、電子を失っているので不安定になり本来の機能が果たせなくなります。するとその現象はまた別の原子を参加させようとはたらき、これがドミノ倒しのように連鎖して細胞や組織を壊していきます。_『すべての疲労は脳が原因』66
  • 闘争や仕事など緊張する状況が生じると、交感神経が優位になることで全身のあらゆる器官で素早く変化が生じます。心拍数血圧体温が高まり血管は収縮し発汗する瞳孔が散大する唾液や涙の分泌が減る膀胱や肛門括約筋が収縮する胃液腸液の分泌が減って消化吸収にブレーキがかかるなどです。副腎髄質からはアドレナリンというホルモンが神経の末端からは神経伝達物質としてノルアドレナリンが分泌されます。
  • 副交感神経は、交感神経と相談して主に夕方から夜間にかけて体を休める働きがあります。リラックスしている時平穏な気分の時に入る前寝ているとき楽しいとき、また食事中排便時や排尿時に作用します。心拍数血圧体温を下げ血管は拡張発汗を抑える瞳孔を閉じる唾液や涙の分泌を促す、膀胱や肛門括約筋を緩める胃液腸液の分泌を促すなどして消化吸収をアップさせます。神経の末端からはアセチルコリンという神経伝達物質が分泌されます。_『すべての疲労は脳が原因2超実践編』15
  • 私たちが疲労から解放されるためには

①自律神経を酷使せず、活性酸素を発生させないような生活習慣を心がけること

活性酸素の酸化作用を抑えてくれる、抗酸化作用を持つ成分が含まれる食べ物を摂ること。

③自立神経の細胞が活性酸素により酸化し錆びた時には、質の高い睡眠をとってそのサビを取り除いてあげること。この3点が重要になるのです。_『「疲れない体」になれる本』212

  • 目の疲れには時として目が充血するような血圧の上昇や、ズキズキすると感じるような痛みや動悸が伴いますが、これらは全て脳にある自律神経の中枢が関与することであり、目の疲れが脳の疲れであることを裏付けています。_『スッキリ!体と脳の疲れが消える本』80
  • 体力的にどれだけ動いたか、デスクワークでどれだけ仕事をしたか、メンタル的なストレスがどれだけ加わったか、この三つの足し算で考えてください。自律神経に負担がかかっているということに関しては、右のストレスは皆同じです。_梶『「疲れない体」になれる本』76

私たちが、日頃「疲れ」がだと感じているのは、自律神経中枢(脳幹にある視床下部と前帯状回)の細胞、なかでもミトコンドリアが酸化し、自律神経が本来の働きができなくなってしまう状態のこと、のようです。自律神経は、交感神経と副交感神経からなっており、それで体の状態を調整しています。つまり、自律神経がうまく働かなくなって、体を調整できなくなってしまう、ということでしょう。

 

だから、疲労のイメージとしては

車のガソリンが切れた、というのではなく、エンジンオイルが汚くなってオーバーヒートしている、という感じだと思いました。

疲労チェック① 起床直後の第一歩と4時間後

  • 良質な睡眠が取れたかどうかを判断する、最も手軽なチェック方法、朝起きて最初の一歩を踏み出した時の感覚です。しんどい辛い重たいと感じた時は前日の疲労は残っており眠りが足りていないおそれがあります。_『すべての疲労は脳が原因2超実践編』(集英社、2016)136
  • その日の自分の自律神経の調子をセルフチェックできるタイミングが、朝起きてすぐに加えてもう一つあります。それは朝起きてから4時間後。本来健康な状態では、朝起きてから4時間後に、脳の覚醒度が最も高くなっています。(略)起床してから4時間後でも、まだ眠い、体がだるいと感じているということは、前日の睡眠状態がかなり悪かったか、前日の仕事などの負荷がかなり強かったかのどちらかであるということ。_梶本修身『「疲れない体」になれる本』(三笠書房2020)178

本来なら疲労がとれているはずの、この2つのタイミングで、疲労の蓄積度が分かります。

疲労チェック② 第六感を大切に

  • 例えばいつもは地下鉄を乗り継いで行く訪問先に、今日は何となくタクシーで行こうと思うことがあります。そういう気持ちの背後には自分でも気づかない体調の不具合であったり疲れであったり数値にならない潜在的な情報が隠れていることが考えられ、その潜在的な情報を無意識に統合したものが第六感だと私は思っています。五感から顕在化した情報は、私たちの脳内に溢れ出る情報の氷山の一角なのです。顕在化していない膨大な情報を統合した結果が何かの拍子に現れるのが第六感だとしたら、それを無視することはリスクであり、また逆にうまく利用できれば、他の人よりより多くの情報を得て作業効率を高めることができます_『すべての疲労は脳が原因仕事編』121
  • つまり衝動とは、潜在的な記憶や情報が、ふと表層へと顔を覗かせた結果ともいえるのです。この衝動をヒントにすることで、自分の体調と能力に適した行動をとることができるようになります。_『スッキリ!体と脳の疲れが消える本』45

 

なんかやる気が出ない、という気持ちには従った方がよさそうです。怠惰はダメだ!という根性論は、脳のサインを無視している点で、非効率的です。

疲労チェック③ ヘルペスに注意

ヒトヘルペスウイルスは子供の頃に誰もが感染していますが、宿主である人の体が健康であるときには何も作用せず、潜伏感染期間になっています。しかし宿主の体で疲労因子 FF が長期間増加していることを人ヘルペスウイルスが感知すると「これ以上この体に止まっていては共倒れになってしまう」という危機感から体の外へ逃げ出そうとし、唾液皮膚粘膜などに出現します。_『すべての疲労は脳が原因』76

私は10~20代のころ、よくヘルペスになりました。ヘルペスはたまに症状が出る前に、それこそ第六感的に気づきます。ここ最近は全然疲れてないからならないのですね。

胸肉とみかん食べて、よく噛んで、そよ風浴びて、水を飲もう

  • イミダペプチド(鳥の胸肉):酸化ストレスを軽減する抗酸化作用がある。123
  • クエン酸(レモンなどの柑橘類梅干し酢):クエン酸回路を安定的にまわす。食事などから栄養を十分に取らずに激しい運動をしている時にクエン酸は効果を発揮する。_『すべての疲労は脳が原因』137
  • ゆらぎ(川のせせらぎ、そよ風、こもれびなどランダムな動き):ストレスが多い環境下では、自律神経のうち、緊張や興奮時に働く交感神経が常に優位になっています。ところが人はゆらぎの環境に置かれると心地よさを感じ交感神経に変わって心身を休息モードに切り替える副交感神経が優位になります。_『すべての疲労は脳が原因』151
  • 脱水を起こし、血液を含めた体液が減ると、血液循環心拍血圧を整える自律神経の負担が増えて疲れが生じます。体液は体温維持栄養素の運搬不用になった老廃物や疲労物質の排泄といった役割を担っており、それらが滞るとこれもまた自律神経の負担が増えることになります。(略)水の飲む量の目安とタイミングは、コップ半分を喉が渇いたと思う前にこまめに。_『すべての疲労は脳が原因2超実践編』83
  • セロトニンは、幸せホルモンとも呼ばれ、自律神経を安定させ心を落ち着かせる役割を持つ物質です。正確には、セロトニンはホルモンではありません。このセロトニンはチューインガムをリズミカルに噛むことで分泌が促されるという実験結果が出ています。つまり噛むという動作自体がセロトニンの分泌を促すのです。_『「疲れない体」になれる本』31

原理はそれぞれ違いますが、これらが自律神経を安定させ、自律神経の細胞の酸化を防ぎます。

 

効率的な作業のために① 同じ作業は飽きたら辞める

  • 同じ作業を続けると、同じ神経ネットワークを使い続けることになるので、そこに活性酸素による酸化ストレスが溜まり、疲労が起こるのです。飽きたというのはここばかり使わずに他のネットワークを使ってよもう疲れたという大脳のメッセージです。それを無視すると疲労が募るばかりでなく疲労からの回復に時間を要するようになります。/
  • 神経ネットワークは電気で信号をやり取りしています。隣の神経細胞にある一定以上の電気信号が伝わり閾値を超えると興奮が怒ってスイッチがオンつまり活動状態になります。閾値とは興奮を起こすのに必要な最小限の刺激の大きさのことです。同じ神経細胞ばかりを使うと錆び付いて傷ついた細胞を守るために防御的に閾値を上げ反応を鈍らせる性質があります。つまり隣の神経細胞のスイッチをオンにするのにより多くの電気信号が必要になるのです。スイッチが鈍感になるとイメージしてください。これでは情報処理が円滑に進まなくなり他のネットワークのパフォーマンスも低下します。こうして大脳全体が疲れまたそれを補うために自律神経が異常な緊張状態となり、やがて頭が重くなる目がしょぼしょぼする肩が凝るなどの症状も現れます。もっと困ったことに一度閾値が上がった神経細胞は、容易には元の敏感な状態には戻りません。電気的な刺激がしばらく届かないように放置するつまり完全休養しないと復活しないのです。_『すべての疲労は脳が原因2超実践編』168
  • 飽きたと思ったらすぐさま休む、またあらかじめ飽きるということを前提に作業の計画を立て飽きたと感じる前に小刻みに休息を挟んで別の作業に切り替えるようにします。それが疲労を避ける方法であると同時に作業の効率を上げるポイントになります(2時間ごとに30分休憩を入れるのではなく、20分ごとに5分の休憩を入れるなど:引用者注)_『すべての疲労は脳が原因2超実践編』169
  • 仕事や勉強の作業効率は、どんな人でも1時間から1時間半くらいしか続かないものです。その時間を目安に作業内容を変えていくと、脳の疲れを軽減できるでしょう。_『スッキリ!体と脳の疲れが消える本』74
  • (筆者筆者の実体験や臨床感覚として:引用者注)一生のうちで社会人として全力、つまり100%の力を出して頑張れるのは、自分の経験や周囲の優秀な研究者医師上場企業経営者を見ていると、約3年間が限界だと私は思っています。/どのタイミングでその貴重な3年間を持ってくるかという人生戦略を立ててみてください。その戦略のためにはメタ認知でいつも自分の人生を俯瞰して見る必要があることに気づくでしょう。_『すべての疲労は脳が原因仕事編』114
  • 仕事会社お金といった限られた価値観だけで争うのは心理的なストレスを呼ぶことになり、緊張状態が続いて自律神経のバランスが崩れ、脳疲労が起こりやすくなります。それら以外の組織や人と争うことがない趣味など、人生において多面的に自己を持つことは幸福を覚えるひとつの条件です。_『すべての疲労は脳が原因仕事編』126

作業に飽きても、少しでも進めておきたい、と思って無理に続けることがあります。それでは、作業効率は下がる一方です。根気や継続に美を感じない方がよさそうです。

 

効率的な作業のために② 休憩は、外へ出る・寝る・何もしない

  • オフィス会議室自動車映画館といった空間は密閉されており、空調や気温臭いなどの環境は一定に保たれて屋外で感じるような揺らぎはありません。まずそのような空間は広をもたらすことが分かっています。/会議が停滞したり飽きたなと感じたら、休憩を取って歩き部屋から出る_『すべての疲労は脳が原因2超実践編』171
  • しかし医学的に見ると、デスクワークで疲れた時はジムで運動するのではなく、早めに帰宅してゆったりと眠りにつくのが脳疲労を改善するためにするべき行動です。というのも運動してすっきりした気分になるのは、一般的に脳内麻薬とも呼ばれるエンドルフィンや内因性カンナビノイドといった神経伝達物質が脳内で作用し、疲労感や痛みなどを感じなくさせて、自律神経の疲労を隠してしまうからです。_『すべての疲労は脳が原因仕事編』13
  • 休むときは休むというのが動物としての本来あるべき姿です。休みの日にわざわざ自主トレをするというのは、人間がいかに欲の塊かという証拠です(略)現代人の10時間の労働時間は明らかに異常です。平日に通常の睡眠を取ったとしても、完全な休養を取るまで回復しにくい人がほとんどでしょう。一週間に1から2回休むのは絶対に必要なことです。(略)せっかく週休2日なら、そのうち1日は全く何もしない日を作りましょうそれが理想です。_『「疲れない体」になれる本』91
  • 朝体内時計がリセットされてから14から16時間ぐらいして周囲が暗くなると、脳内で睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンセロトニンから作られます。明るいうちはセロトニンからメラトニンを合成する酵素の働きがブロックされていますが、暗くなるとこのブロックが解除されてメラトニンが生じるのです。_『すべての疲労は脳が原因』111

丸山真男の「である」ことと「する」ことを思い出させる休日論ですね。何もしないことは、脳の神経細胞を休ませます。

効率的な作業のために③ 感情を使って、記憶しよう

海馬は刻々と脳にインプットされる情報について、この記憶は重要だと判断した内容を大脳皮質に移します。それが長期記憶として保管されていきます。(略)扁桃体は喜怒哀楽などの情動や好き嫌い快不快などの感覚を司っていて、それを海馬に直接伝える役割を担っています。つまり今インプットされた短期記憶のうち、喜怒哀楽や心を揺さぶられるような感動を伴った情報があれば、扁桃体が察知して海馬にこれは重要だと伝達し、海馬はそれを長期記憶の保管庫である大脳皮質に移すというメカニズムになっているのです。記憶は感情や感動に大きく影響されるということが科学的に説明できるわけです。_『すべての疲労は脳が原因』183

この話は、脳科学系の本でたびたび出てきます。感情論って、非科学的・非論理的といわれがちですが、やはり大事です。

コミュニケーション① じかに会って、空気読んでおしゃべりしよう

  • コミュニケーションで脳の活性化を狙うなら、重要なのは相手と直接対面し会って話すことです。SNS などを通じたゆるやかなつながりによるコミュニケーションでは、テキストや画像がメインになり、使われる神経細胞のネットワークも限定的です。それを大勢と頻繁にやり取りしていると、脳内の限定された場所ばかりに使うので脳疲労が起こりやすくなります。読書やテレビ視聴も脳の活性作用は限定的であり、同様のことが言えます。_『すべての疲労は脳が原因仕事編』176
  • 彼自身(島田紳助:引用者注)「司会進行しながら、周りの雰囲気を読み、視聴者が次にどういう発想するかを考え、視聴者が発想する0.5秒前に自分が発言すると、共感の笑いを得ることができる。ただし、視聴者が想起するのと同時では笑ってくれない。0.5秒早いことが重要。逆にそれ以上早すぎても視聴者がイメージできず共感の笑いは生まれない」と言います。こう聞くとすごく疲れそうな気もしますが、脳のあらゆる場所を活用しているせいか、一つに集中して脳の一箇所だけを酷使している人よりも、実は脳の疲労は軽いようです。_『スッキリ!体と脳の疲れが消える本』145

効率重視でメールとzoomばかりしていると、やはり脳は疲れてしまうようですね。私は授業でウケをとることに命を賭けているので、は島田紳助の話が興味深かったです。

コミュニケーション② 人は変えられないから、怒らずに距離を取ろう

  • 1970年代にアメリカで始まったアンガーマネジメントという怒りやイライラを管理するための心理教育では、怒りの感情は6秒程度しか続かないから一呼吸おいてその間をやり過ごす事と教えています。閾値を超える怒りやイライラといった情動は長続きしないのです。脳科学的に見ても怒りやイライラを起こしている時は、交感神経の興奮がピークに達しています。最大の集中力が2秒しか保たないのと同様に、そんな無理な状況は継続しません。不満や不快のために交感神経の興奮がピークに達していると、脳全体の老化が加速し体にも不調が現れるため、人の脳では興奮をセーブする作用が自然に働くのです_『すべての疲労は脳が原因仕事編』206
  • 精神医学には投影性同一視という概念があります。これは自分の感情を相手に置き換える、投影する心の働きのことです。元は、自分の強い願望に由来し、例えば自分がこれだけ好きなのだから、相手も自分を好きになっているに違いないという妄想的な心理状態を指します。_『すべての疲労は脳が原因仕事編』208
  • 上司は部下を怒る時に無意識に、自分が怒っているという感情、なぜその感情が生まれた彼は相手に伝わっている、と思い込むことがあります。しかし、怒られている部下は、扁桃体の作用によって恐れや悲しみの感情が起こり、冷静さを失っていて、自律神経を酷使していると想定できます。そのような状態の部下が、上司の怒りの感情を理性的に共有しているとは考えられません。_『すべての疲労は脳が原因仕事編』209
  • 疲労医学と脳科学の観点から導き出した私の結論は、コミュニケーションを通して他人を変えることは不可能でありただ疲れるだけ、ということです。長く関係を保つ必要性がある人に対しては、こうあってほしいなどと過度な期待をせずに、お互い疲れないように努力する方が脳疲労を避ける点で賢明です。_『すべての疲労は脳が原因仕事編』171

 

親としても教員としても、「こうあるべきだ!」を信じ、相手がそれに従わないことに怒りを覚えることがあります。しかし、そんな信念は相手に共有されていないし、人は変わりません。怒りのピークが過ぎるまでこらえて「まあ人間ってそういうもんだ」と、一歩引いた方がよいですね。

 

コミュニケーション③ キャパを超えず、共感を信じて自分らしく

  • ダンバー教授は、この大脳新皮質が脳内で占める割合が大きいほど、群れの数が大きくなるがヒトでは強制的な規範や法律を抜きにして、安定した社会的関係を結ぶことができる群れの数は100人から230人、平均すると約150人であると唱えました。/人の脳の仕組みは文明化以前の人類の生活から変化していないと考えられるため、現在のインターネット社会における繋がりの広さは、脳のキャパシティを超えて緊張による脳疲労を招きやすくするというのが私の考えです。_『すべての疲労は脳が原因仕事編』161
  • コミュニケーションスキルの高い人ほど、空気を読むことに神経をすり減らしがちで、盛り上がって楽しそうな食事会でもその後の疲労感が大きいようです。例えばジョークを一つ言うにしても通用する相手なのか通用しない相手なのかを理解しなければなりません。その見極めは円滑なコミュニケーションにおいて不可欠ですが、実はかなり高度な情報処理能力が必要でありメタ認知機能をフル回転させる必要があるのです。繰り返しますが他人と接するのが苦手の人は不器用に見えても逆にそれが相手に安心感を与える場合もあります。相手の弱みやすきが見えた時に共感を覚え愛着が生まれるように、この人はあまり社交的でなくトーク力も高いように思われないけど口からでまかせを言いそうにないと信頼関係の構築にはプラスに作用することも多い傾向にあります。_『すべての疲労は脳が原因仕事編』165
  • 悲しい辛い嬉しい楽しいなどの他人の感情や表情に対しては、ミラーニューロンを介して理解しているのではないかと言われていますが、これらの感情は経験的にも、共感性を高める大きな要素になると言えるでしょう。_『すべての疲労は脳が原因仕事編』168

学生のなかに「おれはコミュ障だ…」と気にしている子が多いのですが、コミュニケーションは上手下手だけではありません。たどたどしく途切れがちに一生懸命に話すその姿勢が、ひとつのコミュニケーション技術です。

感想

私たちの脳は、電気や神経伝達物質をやりとりする生身の精密機械のようです。

今はこの仕事に集中すべきだから徹夜でやり抜く、効率化のためにすべてパソコン上ですませる、というのは、作業効率をあげそうに見えて、やはり無理があるのかもしれません。

私は体を動かしてリフレッシュするのが好きなのですが、それもどこかに無理があるのかもしれません。自分をモニターしてみようと思います。