牧千夏の話したいこと

読んだ本や考えたことを勝手に紹介しています。

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

レビュー_エドワード・W・サイード『知識人とは何か』

エドワード・W・サイード著、大橋洋一訳『知識人とは何か』(平凡社、1998)を読みました。 知識人の性質として、重要なポイントは、次の3つにあると読みました。 ①表象(代表、代弁)する 「わたしにとってなにより重要な事実は、知識人が、公衆にむけて、あ…

レビュー_林成之『脳に悪い7つの習慣』(幻冬舎、2009)

林成之『脳に悪い7つの習慣』(幻冬舎、2009)を読みました。 その名の通り、やってしまいがちな7つ思考や行動のパターンが、いかに脳の働きを阻害するかが指摘されます。 まず、本書で前提とされるのは 脳には「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」と…

レビュー_ 『科学者たちが語る食欲』(サンマーク出版、2021)

デイヴィッド・ローベンハイマー、 スティーヴン・J・シンプソン『科学者たちが語る食欲』(サンマーク出版、2021)を読みました。 久々に大きなショックを受けた本でした。私は、高タンパク質/高脂肪/低炭水化物の食事を心がけていましたが、これが必ずし…

レビュー_有田秀穂『疲れない人の脳』(三笠書房、2020)

有田秀穂氏の『疲れない人の脳』(三笠書房、2020)を読みました。 本書は、セロトニン・オキシトシン・メラトニンの合成分泌を促し、快活な生活を送るための具体的な方法が書かれています。 本書で提案される具体的な方法の骨子は、デジタル機器に接する時…

レビュー_德本善彦「断絶としての差異」(『日本文学』70(8)、2021)

今月発行の『日本文学』を読みました。 德本善彦氏の「断絶としての差異」(『日本文学』70(8)、2021)についての、まとめと感想です。 内容を一言で言えば、 坂口安吾「イノチガケ」の前篇と後篇の語りの差異が、当時の歴史文学論争における2つの立場の差…

レビュー_加藤夢三「献身する技術者」(『日本文学』70(8)、2021)

今月発行の日本文学協会の機関誌『日本文学』を読みました。 加藤夢三氏の「献身する技術者」(『日本文学』70(8)、2021)についての、まとめと感想です。 内容を一言で言えば、 1930年ごろに横光利一が行った、「民族」と「科学」とを結びつける主張は、科…

本のレビュー_池谷裕二『パパは脳研究者』

脳科学研究者の立場から、筆者ご自身の娘さんの成長を分析された本です。 子どもの小さな成長のしるしが、脳科学的に意味づけられるのが、面白かったです。例えば、ウソについてです。ウソをつけるようになったと言うのは、時間的・空間的・心理的パースペク…