有田秀穂氏の『疲れない人の脳』(三笠書房、2020)を読みました。
本書は、セロトニン・オキシトシン・メラトニンの合成分泌を促し、快活な生活を送るための具体的な方法が書かれています。
本書で提案される具体的な方法の骨子は、デジタル機器に接する時間を減らし、太陽光を浴び、適度に運動しよう、というものです。
骨子とは少しずれますが、私として特に興味深かった点を2点ピックアップします。
メラトニン:夜に、身体や脳を休ませる脳内物質
セロトニン:日中に、精神・身体を覚醒させ、その働きを健全化させる神経物質
だと理解しました。
松果体にメラトニンをセロトニンに変換する酵素が備わり、網膜に太陽光が当たらなくなると、この酵素が働き、変換が始まるそうです。
以前、大平万里氏の『「代謝」がわかれば身体がわかる』(光文社、2017)を読んだことがありました。そこでは酵素によって代謝が相互に入り組んで行われていることが書かれていました。メラトニンからセロトニンへの変換に関しても、体内の分泌物を無駄にせず、有効に代謝(?)していく仕組みを面白く感じました。
②ストレスを意欲に変える〝ドーパミン神経〟(p.54)
ポジティブな思考を持つことによって、ドーパミン神経が活性化され、快楽をもっと味わいたいという渇望が生まれる。それと同時に、不安や怒りの神経回路の働きが弱まるそうです。
これを応用すれば、目標達成のためにストレス状況に合っても、ドーパミン神経を活性化させ、不安や怒りを抑え、活発に物事に臨めるようになるようです。
私はあまりストレスを感じたくないのですが、達成したい目標のためには、ストレスのかかる状況に自分を追い込まなくてはならないときがあります。そのとき、その目標にいいイメージを抱き、ポジティブな思考で当たれば、ストレス感じ方が弱まるということなのでしょう。
目標達成したときの良い妄想をしまくって、日々努力しようと思いました。
本書は全体を通して平易な表現がとられ、具体的な方法が提案されます。面白くぐんぐん読み進めていける本でした。