牧千夏の話したいこと

読んだ本や考えたことを勝手に紹介しています。

本のレビュー-脳科学

目標が敗北をつくる_『僕らはそれに抵抗できない』

アダム・オルター『僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた』(ダイヤモンド社2019)を読みました。 印象的だった部分を引用します。 行動嗜癖には6つの要素がある。第1に、ちょっと手を伸ばせば届きそうな魅力的な目標があること。/第2…

空腹時に運動する_『オックスフォード式最高のやせ方』

下村健寿『オックスフォード式最高のやせ方』(アスコム、2021)を読みました。 正確には、聞きましたですね。オーディオブックの朗読で聞きました。 私は代謝に興味があるのですが、糖質・脂質・タンパク質の代謝がとても分かりやすくまとめられていました…

ドーパミンはドラッグ_アンナ・レンブケ『ドーパミン中毒』

アンナ・レンブケ『ドーパミン中毒』を読みました。 印象に残った部分と感想をまとめます。 神経科学者のノーラ・ボルコウらは高ドーパミン物質を大量に摂取すると、最終的に脳ドーパミン欠乏状態になることを示した。(略)ボルコウ博士らはこう書いている…

脳から考えるライフハック_『寝る脳は風邪をひかない』

池谷裕二『寝る脳は風邪をひかない』(扶桑社、2022)を読みました。 面白かったポイントを簡単に紹介します。 授業や仕事に使えること そもそも私たち人間は、新しい習慣に慣れるのにどのくらいかかるのでしょうか。(略)各個人や各項目ごとによって違いは…

継続は疲れなり_『すべての疲労は脳が原因』他

梶本修身『すべての疲労は脳が原因』(集英社、2016) 梶本修身『すべての疲労は脳が原因2超実践編』(集英社、2016) 梶本修身『すべての疲労は脳が原因仕事編』(集英社、2017) 梶本修身『スッキリ!体と脳の疲れが消える本』(PHP 研究所2016) 梶本修身…

文字を読むときの脳のしくみ_『プルーストとイカ』

メアリアン・ウルフ『プルーストとイカ』(インターシフト、2008)を読みました。 一言で言えば 読書や読字において、脳がどのように働くのかを、生物学的に説明しています。 ディスレクシアを主な対象としてます。 個人的に気になったポイント 子どもには、5…

レビュー_池谷裕二『脳には妙なクセがある』

池谷裕二『脳には妙なクセがある』(扶桑社、2012)を読みました。 面白かったポイントについてまとめます。 持つ語彙で思考や行動が変わる これは国語の教員として、嬉しい情報でした。私は工学を専門にする学生を相手に、国語の授業をしています。当然ではあ…

レビュー_林成之『脳に悪い7つの習慣』(幻冬舎、2009)

林成之『脳に悪い7つの習慣』(幻冬舎、2009)を読みました。 その名の通り、やってしまいがちな7つ思考や行動のパターンが、いかに脳の働きを阻害するかが指摘されます。 まず、本書で前提とされるのは 脳には「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」と…

レビュー_有田秀穂『疲れない人の脳』(三笠書房、2020)

有田秀穂氏の『疲れない人の脳』(三笠書房、2020)を読みました。 本書は、セロトニン・オキシトシン・メラトニンの合成分泌を促し、快活な生活を送るための具体的な方法が書かれています。 本書で提案される具体的な方法の骨子は、デジタル機器に接する時…

本のレビュー_池谷裕二『パパは脳研究者』

脳科学研究者の立場から、筆者ご自身の娘さんの成長を分析された本です。 子どもの小さな成長のしるしが、脳科学的に意味づけられるのが、面白かったです。例えば、ウソについてです。ウソをつけるようになったと言うのは、時間的・空間的・心理的パースペク…