牧千夏の話したいこと

読んだ本や考えたことを勝手に紹介しています。

太らない薬の登場か_『糖尿病が怖いので、最新情報を取材してみた』

堀江貴文『糖尿病が怖いので、最新情報を取材してみた』(祥伝社、2021)を読みました。

 

私は糖尿病に関心があるので、これまでもいろいろ読んできました。当書は、糖尿病のしくみや予防に関する知識をコンパクトにまとめています。そのなかでも、いくつか発見のあったポイントについて紹介します。

 

SGLT2阻害薬

腎臓に作用して、尿から糖の排出を促す薬です。

腎臓では、尿細管で原尿から水分や栄養分を再吸収します。糖を再吸収するときSGLT2というタンパク質が糖の運び屋になる。このタンパク質の働きを阻害して、糖の吸収を抑えるのが、SGLT2阻害薬です。 P,66

 

糖が吸収されないということは、食べても吸収されないということなので、ダイエットの薬になるということですね。いまは糖尿病治療薬としての位置づけですが、まだあまり認知されていないようです。

 

夢の薬ですね。ただ、あくまで糖の吸収を阻害するというだけなので、タンパク質や脂質は吸収されるでしょう。私たちは砂糖やご飯やパンを食べるとき、同時にタンパク質や脂質を取りますから、糖を吸収しない!と思って暴食すると、肝臓に負担がかかりそうですね。でも1度使ってみたいです。

 

糖と塩分の吸収は対の関係

糖の吸収量が増えれば、塩分の吸収量も増える。p.70

食べたものから糖と塩分を吸収するのが腸で、原尿からそれらを再吸収するのが腎臓です。この2つの臓器は、人間の生存に必要な、この糖と塩分を余すことなく吸収しようとしているようです。

 

飢餓の時代には重要なしくみだったのでしょうが、飽食の現代ではこのしくみはミスマッチを起こしていますね。

 

さらっと読めるのに、きちんと重要な情報を伝えてくれる本でした。