カーマイン・ガロ『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン』(日系BP、2010)を読みました。
私はおじいちゃん子・おばあちゃん子なので、いまだに帰省する度に祖父母の家に行きます。(この齢で〝子〟と書くのははばかられましたが、おじいちゃんおばちゃんにすると、なんだか志村けんみたいなので控えました)
そのときに、蛍光ペンであちこちピンク色に塗られた当書を渡され
「これは参考になるから、ぜひ読みなさい」
と言われました。私のプレゼンがまずいことを、おじいちゃんは感づいていたのかもしれません。以下にポイントをまとめます。
プレゼンの構成
- スライドをつくる時間は、準備時間の1/3。1/3は、プレゼン構想に使う。P,25
- プレゼンのポイントは3点か4点以内にまとめ、流れを追いやすいストーリーを作る。P,102
- 新製品の説明には、現在の製品がユーザーに痛みを与えており、それとどういう関係にあるのかという文脈が必要。
- 聴衆は10分経つと話を聞かなくなる。10分経つ前に新しい展開にする必要がある。P,156
スライド
- ヘッドラインは、12文字程度で、具体的で、メリットがわかるように書く。例えば「ポケットに1000曲を」P,93
- スライドには、写真や少しの文字しか使わない。度胸と自信を持って、自分の言葉で伝えることをメインにしたスライド作りにする。P,185
- 数字を出す時は、それを具体的な文脈において意義を持たせる。P,195
- テーマを絞り、そのテーマについて聴衆が強い感情を持つようにする。そうすれば聴衆は忘れない。P,271
プレゼンの振る舞い
言葉や話し方
その他の振る舞い
- 特定の人にプレゼンする場合は、ファーストネームで繰り返し呼びかけ、レーザーのようにじっと目を見て、情熱を伝える。P,64
- 小道具を使う。例えば来場者に紙と鉛筆を配り、何かを書き、それを順次回す。そうすることで誰かが書いた紙を手にし人々が共有できる。P,253
- 自分のプレゼンに集中してもらうために、その集中をそらすようなクセを控える。腕を組んだりモジモジしたり、あーとかつなぎの言葉を使ったりしないようにする。P,325
- ここまでやったらさすがにみっともないと思うところまで情熱的にプレゼンする。p,327
- 録画をして確認する。p.330
- アメリカでは「show and tell」というカリキュラムがあり、自分のことや家族のことなど様々な話題をクラスのみんなに説明する時間がある。それが人生の当たり前の能力として刻まれている。P,389
個人的に参考にしたこと
どれもこれも耳が痛く、さすがおじいちゃんと思いました。できることから実行しようと思って、いくつか授業で実行しました。今のところ効果を感じたのは次の2つです。
- 漠然とクラス全体を見るのではなく、顔をあげている子に目を合わせて話す。
- うまく話せないかも、と自信がない時に、クリップや座席表など余計なものを触って手をモジモジさせてしまう。手は重要なプレゼンテーションツールなのだから、無駄な行為で使わず、話の内容を補足できるように使う。
目を合わせ、ボディーランゲージを使うと、学生が顔を上げてくれます。まあ当然のことですよね…。一体何年教員やってるんだよと、情けない気持ちになりますが、一つ一つ改善しようと思います。